■第12回 全日本語りの祭りin南三陸

  東日本大震災被災地の復興を願ってー語りは絆ー

2014年9月27日(土)~29日(月)

開催地:宮城県本吉郡南三陸町
会 場:南三陸ホテル観洋
参加者:延べ900名

2011年3月11日午後2時46分に発生した、東日本大震災。
南三陸町にも大津波が押し寄せ、900人を超す尊い命が奪われました。
会場の南三陸ホテル観洋は当初から被災者の受け入れを行い、
いまも震災を風化させないための取り組みを行っています。
今回のテーマは「復興」。
参加者はホテルの”語り部バス”で被災地をめぐり、しずがわ民話の会の皆さんをはじめ地元の方々のお話を伺い、ここで見たこと、聞いたこと、感じたことを、それぞれの家族や仲間たちに持って帰りました。


第1日目 9月27日(土)


14:00~ プレイベント「誰でも語り場」

会場:ホテルロビー ホワイエ

シャトル・バスの到着前から、一般の方々も対象にピアノ演奏から始まった「誰でも語り場」。
お話の後は、生のピアノにあわせて、全員でラジオ体操をしました。

 *語られたお話
   「ミックスジュース(手遊び)」「うばすて山(紙芝居)」「かめのえんそく(紙芝居)」
   「宝の原」「へったれ嫁ご」「なけないちっちゃいかえる」「坊さんを助けた船頭」
   「ももたろう(手遊び)」「お鍬さま」「まんまるまんまたんたかたん(紙芝居)」
   「ねこおどり」「ゴックン・オトラ」


15:30~ ホテル語り部バス

27~28日の二日間にわたり、希望者が語り部バスに分乗して、町の災害の現場を巡りました。
2:48で時計の止まった戸倉公民館、避難した子どもたちが一晩を過ごした山、屋上に避難した327名の命を救った高野会館、骨組みだけとなった防災庁舎などを、ガイドの案内で見てまわりました。
ガイドの語り部は、震災時もホテルに勤務されていた従業員の方。ご自身の体験も交えた、胸に迫るお話をお聞きしました。


17:30~ 開会式

会場:コンベンションホール「羽衣」

 ・黙祷
 ・開会宣言
 ・挨拶  南三陸町長 佐藤 仁

佐藤町長はご自身も防災対策庁舎の屋上で被災され、1万人の町民が安否不明の中、当初は40カ所の避難所に水と食料を届けることが課題だったそうです。今は仮設住宅3年目を迎え、町としての新たな課題も生まれているそうです。 町の産業である牡蛎の養殖や、観光業も復活しつつある中、土地のかさ上げ等で変わっていく町の様子を、ぜひ1年ごとに定点観測として見守って欲しいと語られました。


18:00~ 懇親交流会

会場:コンベンションホール「羽衣」

 ・挨拶  しづがわ民話の会 会長 仲松 敏子

 ・みんなで歌いましょう♪ 「花は咲く」

 ・「外郎売口上」 三田村慶春&鈴木砂知子


20:30~ 夜語り ~ 22:30

 *ロビーで語られた話
   「いたちの子守歌」「鶴の恩返し」「新川を作った伊藤五郎左衛門さん 」
   「お玉悲恋物語」「狐の嫁入り」「よんで よんで(紙芝居」
   「かあさんわにのおくりもの(紙芝居)」「屁ったれ嫁(紙芝居)」
   「屁ったれ嫁―平成版(紙芝居)」

 *南1810の部屋で語られた話
   「ながいなのむすこ」「蛍長者」「神さまからもらった寿命」「蔵王権現」
   「竹島と大蛸伝説」「仲松さんの被災体験」

 *南1910の部屋で語られた話
   「トラをだました女の子」「衣替え」「島ひきおに」「高橋さんの被災体験」
   「狐にだまされた話」「おんばりてい」「アメリカでの実践報告」

 *東1412の部屋で語られた話
   「おにの腕」「たかにさらわれた子」「ふしぎなほらあな」「団十郎閻魔」
   「アイスがいっぱい」「アザラシ女房」「風日記より」「黒いブッカと白いブッカ」
   「コサッソム」「ろくろっくび」「泉竹の浄瑠璃語り」「ひとつとってもいいおてて」
   「おしまい」「一里島」

 *東1413の部屋で語られた話
   「空と海と地球の話」「長谷雄卿の話」「蝿と雀」「和尚さん小僧さんばなし
   「小僧と山姥」「おさらをあらわなかったおじさん」「まのいいりょうし」
   「とおさかみまさか」「ざしき童子のはなし」「山鳥の恩返し」
   「貧乏になれなかった男のはなし」「東の嫁と西の嫁」

 *東1414の部屋で語られた話
   「二匹の子ぶた」「かっぱのくれたふしぎなつぼ」「サルのきも」
   「麦わら大蛇」「字のない葉書」「おおきなワニさん小さなワニさん」
   「道成寺」「ごんじいさんと河童の子」「いたちの粟畑」

 *東1415の部屋で語られた話
   「長ぐつをはいたねこ」「桃子」「節分縁起」「猫ヶ洞の鬼婆」 「ねずみじょうど」
   「狐と山伏」「どろぼうの手」「ふぐはうち」

 *東1416の部屋で語られた話
   「一斗八升の米」「うた時計」「ツルとカメ」「鏡」「山内さんの被災体験」
   「血の池」「ほら吹き男」「蔵王権現」

 *東1417の部屋で語られた話
   「いけ捕りの話」「笑いのお茶」「遠野物語99話 魂の行方」「雨の小坊主」
   「想い川物語」「佐々木さんの被災体験」
 
 *東1418の部屋で語られた話
   「となりのちいちゃん」「赤鬼エティン」
   「ねずみ経(岩手のことば)」「お彼岸と彼岸」
   「婆山の由来」「阿部さんの被災体験と子どもの頃の話」
   「おさんきつね」

 

第2日目 9月28日(日)

9:30~ 分科会

 *志津川の民話と被災者の話
   「蔵王権現」「想い川物語」「婆山(ばばやま)」「文覚(もうがく)上人」
   「竹島と大蛸伝説」「豆こになったやまんば」「山内きよ子さんの被災体験」
   「佐々木恵子さんの被災体験」「阿部牧子さんの被災体験」
   「高橋武子さんの被災体験」「仲松敏子さんの被災体験」
   「みやぎ民話の会「みやぎ民話の学校」の話 」

 *お国ことばでかたる1
   「出だがや小僧こ(秋田のことば)」「ホンジナシ(秋田のことば)」
   「毒流し(福島のことば)」「歳(山形のことば)」「赤い着物(山形のことば)」
   「帰ってきたほたる(宮崎のことば)」「蛙と梟(愛媛のことば)」
   「葬頭河の婆さま(山形のことば)」「若返りの水(山形のことば)」

 *お国ことばでかたる2
   「 頭さ柿の木(宮城のことば)」「お月お星(宮城のことば)」
   「津波被災者の川柳(宮城仙台のことば)」
   「遠野物語99番「津波の話」(岩手のことば)」
   「娘のしゃれこうべ(岩手のことば)」「とんぼ(わらべうた)」
   「ちいちいこばかま(岐阜美濃のことば)」「はす池にかえった娘(大阪のことば)」
   「桜子(福島のことば)」「嫁と姑(福島のことば)」
   「婆様の返事(福島のことば)」「鶴と亀(福島のことば)」

 *ゴーストの部屋
   「ひょうたんめん」「笛の音」「ヒナゲシ荘の主」「真夜中の訪問者」「ゆうれい井戸」
   「テイザン」「真紅の帯」「ねずの木の話」

 *賢治の部屋(宮沢賢治作品を語る)
   「雨ニモマケズ(詩)」「よだかの星」「ざしきぼっこの話」「祭りの晩」
   「トシの死をめぐって(詩)」「竜と詩人」 「とっこべとらこ」

 *ほっこりほのぼのパーソナルストーリー
   「美味しさの黄金比率 3・2・1」「おんぶひも」
   「せっちゃん」「おぼえているよ」
   「101」「父からのバトンを受けて」「まきおのこと」
   「電車ものがたり」

 *日本と世界の愉快な民話
   「ユキホオジロの子守歌」「オポッサムとカメとオオカミ」
   「トケビの話 その 1」
   「トケビの話 その 2(コブとり爺さん)」
   「バビブベボ化け」「地の果ての井戸」「チュンチュン焼き」「嘉兵鍬」

 *乳幼児に語る
   お手玉あそび
    「ぺったらぺったん」「時計屋さん」「いも・にんじん」「おいかけっこ・かくれんぼ」
   布やハンカチを使ったあそび
    「にぎりパッチリ たてよこひよこ」「大風来い」「ピアノをひきましょう」
    「わたげとんでけ」
   手袋人形を使ったお話
    「カッパカッパカッパッパ」「カラスの親子」「だれかが忘れた帽子」
   身体を使ったあそび
    「高い山低い山谷底にドボン」「なかなかホイ そとそとホイ」
   「子守り泥棒 」「ももたろう(パロディ風に)」「ぶたさんのさようなら」
   「はじめのおはなし」「くまさんのおでかけ」「くまさん(詩)」「チュッとキュッ(詩)」
   「ゆかいなさんぽ」「口の大きな蛙の子」
   てあそびうた
    「くるくるまきまき毛糸玉」「おおきくトン小さくトン」 「あたまはテンテンテン」
    「きつねがばけたとさ」
   おりがみあそび
   ひもあそび「きつねのさんぽ」
   「イップク タップク」「ちっちゃな風はどうしたの」

 *学校で語る
  <低中学年向き>
   「なぜメスだけ血を吸うの(沖縄のことば)」「ホットケーキ」
   「べんきょうすいとり神」
  <高学年向き>
   「吾妻の婿さま(福島のことば)」「プクサの魂(アイヌの話)」「二人姉妹」
  <中学生向き>
   「人間だって空を飛べる」

 *高齢者への語りと紙芝居
   「おどりばダンスホール(紙芝居)」「さらやしきのおきく(紙芝居)」
   「へっこきよめ(紙芝居)」「むかし浦島(紙芝居)」「父のかお母のかお(紙芝居)」
   「きつねの盆おどり(紙芝居)」「若返りの水」「じいさんの占い」「寝言兄弟」
   「鶴の恩返し」「まんまるまんまたんたかたん(紙芝居)」「うばすてやま(紙芝居)」


13:00~ 全体会  テーマ「復興」

会場:コンベンションホール「羽衣」

 ・阿部憲子さんのお話(南三陸ホテル観洋女将)
   「避難者支援の拠点となった南三陸ホテル観洋」

 ・畠山扶美夫さんのお話(仮設住宅 平成の森団地自治会長)
   「3年6ヶ月の仮設住宅生活」

 ・佐藤美南さんのお話(高校生の震災を語り継ぐ活動「まずもって」会長)
   「高校生『まずもって』の活動」

 ・村岡賢一さんのお話(南三陸町行山流水戸辺鹿子躍保存会会長)
   「蘇った行山流水戸辺鹿子躍」

 ・郷土芸能実演    行山流水戸辺鹿子躍保存会のみなさん

テーマを「復興」として、東日本大震災で被災された4組の方にご登壇いただき、これまでの間、どのような体験や思い、そして復興に向かう活動をしてこられたのかをお話しいただきました。
震災直後から被災者支援に取り組まれたホテル観洋女将の阿部さん、震災後の地域の生活を支えてこられた畠山さん、自分たちの体験を「まずもって」語り続け広めている高校生の佐藤さん、中学生の「また踊りたいなあ」の一言に後押しされて復活をとげた郷土芸能の迫力と村岡さんのお話に、参加者は時には涙し、心ふるわせて聞き入りました。
                    行山流水戸辺鹿子躍

15:30~ 語り部バス



20:30~ 夜語り

 *ロビーで語られた話
   「あなのはなし(紙芝居)」「四丁目のまさ」「あめ玉」「おばすて山」
   「田の久」「呉の乙女椿(紙芝居)」「白竜湖の琴の音」
   「仙台名物ささかまぼこ ささやん物語~七夕純情編」
   「よくばりじいさんのくさいはなし(紙芝居 )」「かきかきいくつ(ひもあそび)」
   「ももたろう(手遊び)」「ミックスジュース(手遊び)」「にくまん(手遊び)」

 *南1910の部屋で語られた話
   「あめだま」「てんまのとらやん」「川の母」「くもばあちゃん」「ヌントンカムトゥ」
   「親孝行の虎」「浦島次郎」「浦島次郎(沖縄のことば)」「長ぐつをはいた猫」
   「ヤギとライオン」「少年と子だぬき」「わらすべ一本」「小判の虫干し」

 *南1810の部屋で語られた話
   「米福粟福」「カメの甲羅のはじまり」「ばけくらべ」「神さまの贈り物」
   「雷様(らいさま)の田植え」「ひっつこ ひっつこ」「タンポポサラダ」
   「こんど ゆうぞ」「次男坊の出世」「ごんべばなしより カラスのはなし」
   「眼鏡岩」「膳の湯のいましめ」「10人の父さん」
   「木の精のはなし」「笠地蔵」

 *東1412の部屋で語られた話
   「二つ池の龍」「おくさまの部屋」「蚤の串刺し」「ツバキになった馬」
   「キツネの花小箱」「三つの願いの神様」「大工と猫」「猫岳のねこ」
   「猫ヶ洞の鬼婆」「いたちの粟畑」「サイダー(手遊び)」
   「泉小太郎」「歯を見て」

 *東1413の部屋で語られた話
   「とんぼとんぼ」「山の背くらべ」「茨木童子(大阪のことば)」
   「つるかめ(福島のことば)」「げたに化ける」「絵姿姉さま」「三年峠」
   「山どりのおんがえし」「いちだいさん」「ウル姫子と山姥」「貧乏神」
   「著作権・再話について(講話)」「歌う骨」「うそはっけん木」「頭に柿の木」
   「小石恋石」「くもとはち」「おしまい」

 *東1414の部屋で語られた話
   「みそ買い橋」「かっぱのすりばち」「ねずみ浄土」「極楽を見た婆さま」
   「ゆんべの粟餅うめかった」「どんぐり」「どんぐりころちゃん」
   「どっちどっちえべすさん」「五助どんの善光寺参り」「お寺のおしょさん(替歌)」
   「ひとりでねるのこわくない(ギイギイドア)」「きつねの恩返し」
   「あんたがたどこさ」「虫かご」「ねずみ穴」

 *東1415の部屋で語られた話
   「ミミズと土」「ミミズの鳴き声」「うみうります」「若がえりの水」
   「縁は異なもの」「五杢蔵(ごもくぞう)の望」「へたれ嫁ご」「川茂の太郎杉」
   「竹島と嘘島」「嫁と法事がし」「話堪能」

 *東1416の部屋で語られた話
   「嫁と姑(熊本のことば)」「種原の藤助話」「おかえし」「織姫と彦星」
   「しゃっくり」「かみなりごろうた」「夜叉が池」「頭に柿の木」「へたれ嫁ご」

 *東1417の部屋で語られた話
   「王子さまの耳はロバの耳」「女化狐(おなばけきつね)の話」「桃太郎」
   「おけさのうた」「ふしぎなオルガン」「きつねのお札」「七わのからす」
   「山の背くらべ」「お月さまのはなし」「となりの寝太郎」
   「ボタンインコ」「むじな」

 *東1418の部屋で語られた話
   「ふしぎな宝げた」「真心の一文銭」「あかりの花」「石橋の下の蛇」
   「肉まんあんまん(手遊び)」「森のキツツキさん(手遊び)」「貧乏神」
   「アシハヤ」「常世の船を漕ぎて 」


第3日目 9月29日(月)

 閉会式


  しづがわ民話の会のみなさんのご挨拶のあと、
  次回「第13回全日本語りの祭り」の開催が決まった
  島根県松江市の、酒井董美さん(民話研究家、元鳥取
  短期大学教授)にご挨拶をいただきました。
  最後に、参加者全員が手を取り合って「今日の日はさ
  ようなら」を合唱、再会を約束しました。
2020年08月22日